ADiary

東欧伝統のスープ、それはチョルバ

2020/8/9

【東欧伝統のスープ、それはチョルバ】

日本人の方が、味噌汁に郷愁を感じるように・・・。
ワタシには、チョルバというスープが母の味、家庭の味として血に流れ込んでいます。


アンナおばあちゃんが、昔よく作ってくれた具だくさんのスープ。
チョルバの味付けには、野菜の発酵液、もしくは麦のふすまの発酵液を使います。

味噌汁は、豆と穀物をベースに麹菌発酵させて醸成しますよね!?

その発酵液を仕込むのに、たとえばその季節の旬の野菜を発酵させます。たとえば今時期ならば、キュウリやカリフラワー、キャベツ、ニンジンなどを使って・・・。

コチラは、発酵カリフラワー。

こちらは、越冬前に樽で漬ける発酵キャベツ(1玉丸ごと漬けますよ!)そして、こちらが乳酸菌発酵きゅうり。
上から見たら、こんな感じに。
それぞれの野菜を下処理したあと、スパイスやハーブなどと一緒に塩水で漬け置き発酵させます。
頃合いを見て、発酵野菜を漬物や料理の具材として、そして発酵液もスープの調味料やサラダへと展開します。

今回の具材は、ダイキが畑で栽培してくれたビーツやセロリ、ピーマン、人参、イタリアンパセリ、ラブパセリを使って。さらに、新じゃが(メイクイーンなどの煮崩れしにくいイモがオススメ!)、ズッキーニ、カリフラワー、トマト、にんにく、インゲン、ネギなども鍋一杯にコトコトと煮込みます。

このようにして、根菜、茎、葉と諸々の植物の部位を一緒くたに煮込みながら、それぞれが持つ野菜の底味を引き出すのがスープの醍醐味。そこに野菜の発酵液を加えて調えます。ちなみに、赤いのはビーツとトマトのカラーが染まったから。

まさに、東欧ビューティーの秘密は、こうした自然の恩恵をダイレクトに享受できることにあります。

しかし、悲しいことに・・・昨今は”化学調味料や化学合成添加物で構成された商品”も市場を席巻しています。多国籍企業の雄は、あたかもナチュラルな雰囲気を前面に出しながら、大量の資金で広告宣伝を投じて、ブランディングを計り、伝統料理のベースを駆逐しているのです。

あなたも聞いたことがあるかもしれません。。。。
次のような国際的ブランドを。

「Knorr(クノール)」   ・・・各国伝統スープの素
「Maggi(マギー)」    ・・・マギーブイヨン、無添加コンソメ
「DELIKAT(デリカット)」・・・ボルシュマジック

これらを使って、”外から味を添加”し、”それらしさ”を演出しているのです。

「早い・便利・安い・パンチが強い」をコンセプトに打ち出し、その広告を妄信する多くの人たちは、インスタント加工されたこういう”スープの素”を使い続け、本当の伝統が失われつつあるのです。

当然、それらを幼少期から食べ慣れた子どもたちが、次の時代を担うときには、”コレ”が常識となるのです。発信側である料理研究家やシェフと云われる方々のなかにも、これらを使い、紹介している方々もいます。

「何をもって、研究というのでしょう?」
「何をもって、料理人というのでしょう?」

その判断は、お客さんなり生徒さんが判断を下すべきなのが宿命。

しかし、その名を語るならば、その肩書に恥じない取り組みや発信をされるべき、というのがワタシの主張です。

あなたはどう考えますか?

追伸:

聞き慣れないハーブ、ラブパセリについて。
このチョルバのもうひとつの隠し味が、このハーブ「ラブパセリ」です。

東欧では、これをスープのアクセントに使います。
イギリスでは、サラダにするとか。ただ、生食だと”ピリッ”とした食感が残ります。

独特なツーンと刺激する香りは、ワタシにとっての食欲を掻き立てるモノ。たとえていうなら、パセリとセロリの合いの子みたいな感じかな~?

アディナのオーガニックキッチン~ダイナミックステラ~
Facebookページも「いいね!」してください