シナノキ(菩提樹)の香りが教えてくれたことー北海道の初夏に思い出す大切な記憶ー
2026/7/4
あなたは、菩提樹(シナノキ)をご存知ですか?
ワタシにとってシナノキは、子どもの頃からずっと身近な存在でした。

実家のマンション5階のベランダから見える場所に、大きなシナノキがそびえ立っていたからです。特に、この初夏の季節になると、その存在を強く思い出します。
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開花はほんの2週間ほど。その短い間だけ、あたり一帯がフローラルで甘い香りに包まれます。昼も夜も漂うその香りに、私はいつもうっとりしていました。
一方で、ミツバチたちは大忙しです。花から花へと飛び回り、羽音を響かせながら夢中で蜜を集めています。
秋になると葉は淡い黄色に色づき、やがて地面いっぱいに落ちていきます。乾いた落ち葉を踏めばカサカサと心地よい音がして、雨の日には湿った葉がふかふかの絨毯のようになります。
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香りや音、足裏の感触まで、私の記憶はいつもシナノキと結びついています。そんな原風景を胸に抱いたまま、北海道で暮らし始めて20年が経ちました。
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そして大人になってから知ったのは、シナノキには美しさだけではなく、人々の暮らしに深く寄り添ってきた歴史があるということでした。
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ルーマニアでは神聖な木として崇められ、宗教で用いられるイコン(聖像)や十字架の素材にも使われてきました。その象徴とされるのは、純粋さ、愛、平和、忠実、そして深い眠り。
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家の近くに植えると家族を見守り、守護してくれる木とも伝えられています。
さらに、シナは人々の「家庭の薬箱」のような存在でもありました。
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ワタシが子どもの頃、風邪をひくと、かかりつけのお医者さんが処方してくれたのは薬ではなく、シナを使ったシロップでした。
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シナの花には、鎮静作用をはじめ、去痰、発汗、利尿、安眠を促す働きなどがあると伝えられています。シロップだけでなく、お茶やティンクチャー、湿布などにも利用されてきました。
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風邪やインフルエンザにかかったときには、何度もそのお世話になったものです。後になって知ったのですが、こうした使い方は東欧だけでなく、ドイツやフランスでも古くから親しまれてきたそうです。※花粉症をお持ちの方は、反応する場合がありますのでご注意ください。
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日本では「シナはちみつ」として親しまれているので、ご存じの方も多いかもしれません。
花と同じように、フローラルでやさしい甘い香りが特徴で、その豊かな香りもシナノキならではの魅力です。
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北海道では、まさに今が花の見頃。
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木の下に立っているだけで、甘い香りに包まれ、心までゆるんでいくような感覚になります。
もし、お近くの公園や神社でシナノキを見かけたら、少し立ち止まってみてください。
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そして、大きく息を吸い込んで、その香りを味わってみてください。
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ほんのわずかな開花の時期だけに出会える、季節からの贈りものです。
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何気なく見過ごしていた一本の木が、少し違って見えてくるかもしれません。
アディナのオーガニックキッチン~ダイナミックステラ~
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